はじめに
片親疎外とは、一方の親(疎外親)が子供を洗脳しもう一方の親(標的親)を拒絶したり嫌悪感を持つように仕向けていくことです。片親疎外は離婚が主なきっかけになります。
疎外親は子供に嘘を吹き込んで洗脳し標的親を拒絶するように仕向けます。
自分で考える力のない幼児の方が、考える力のあるティーンエイジャー(十代)の子供よりも片親疎外による洗脳を受けやいと思うかもしれませんが、実は真逆です。
ティーンエイジャーの方が片親疎外の戦略にハマり洗脳されやすいです。僕もティーンエイジャーの子供達からの拒絶と攻撃を受けています。
ティーンエイジャーの子供が洗脳されやすい理由5つをまとめました。
ティーンエイジャーの子供の方が片親疎外にハマりやすい
本当に小さい時に両親が離婚し、その後、親権者の片親疎外を受けて、標的親の顔も覚えていないような子供達がいます。疎外親から意図的に標的親との接触を妨害され続けるので、このような子供達は、標的親について何も知りません。
でも、このような環境で育った子供は、一定の年齢を迎えた後で標的親を探し関係の再構築を希望することが多くあります。
標的親と関係の再構築を望むようになる平均年齢は18才だそうです。子供が本当に小さい内に引き離された標的親にとっては本当に長い時間ですね。ある実例として、この年齢が48才だった人もいるそうです。48才になって初めて自分が片親疎外により母親を失ったことに気付き、母親を探し出して親子関係の再構築を試みたそうです。
このような標的親の顔も知らないような子供が、ある程度大きくなり、その親に会いたいと接触を試みるドキュメンタリー番組など見たことがあると思います。これは実際に良く起きることです。
一方で、ティーンエイジャーで片親疎外が始まった子供は、片親疎外の影響を受けやすく、標的親を頑なに拒絶し、酷い侮蔑の言葉を投げつけて攻撃をします。
標的親や行き別れた兄弟からの関係の再構築の試みを冷たく踏みにじります。
こちらのドキュメンタリー映画でも比較的若いときに片親疎外が始まった子供達はその後、標的親への接触や関係の再構築に動き出すのに比べて、十代で片親疎外を受けるようになった大きな子供達は頑固にこれらを拒否しています。
象徴的なのは、離れ離れになった兄妹。
妹が兄に接触し関係を再構築しようとするのを兄は頑なに拒み続けます。
ティーンエイジャー(十代)の子供が片親疎外にハマりやすい5つの理由
1)損得勘定と親以外に大事なものがある
小さい子供は自分と両親ことでいっぱいです。お父さん、お母さんと一緒に遊んで欲しい一心で両方の親の存在を望みます。片親疎外により一方と接触を断たれてしまうと素直に寂しいと感じます。
一方でティーンエイジャーになるといろんな損得勘定が出来るようになり、親以外にも大事なものがあります。
このような時期に、例えば、標的親の面会に際して、疎外親が「標的親との面会をしないなら、新しい自転車を買ってあげる」などと持ち掛けられます。ティーンエイジャーで損得勘定が出来るようになると一回面会しないだけで新しい自転車が得られるなら、面会しない方が得だと考えることが出来るようになっています。
2)疎外親が発する空気(ボディランゲージ)を理解できる
子供が標的親を拒絶するのは、子供自らが疎外親の標的親への嫌悪感に同調するからです。疎外親の手法として、子供達に標的親のネガティブキャンペーンを展開し拒絶するように嘘を吹き込みます。
ティーンエイジャーになるとこのような言葉だけでなく、疎外親が発する空気(ボディランゲージ)を理解できるようになります。
僕が面会時に子供達を迎えにいくとモラハラ妻は子供達に口では「お父さんと出かけたいの?」と言いますが、態度は明らかに「一緒に行って欲しくない」と言っています。ティーンエイジャーの子供達はこの空気を理解できます。
そして、「お父さんと一緒に行きたくない」と答えます。
この空気(態度)は、実際に口から発する言葉よいも強力です。
3)忙しい
ティーンエイジャーになると学校のこと、部活、友達や恋人が出来たり、それまでよりも忙しくなります。標的親との面会や疎外親からの片親疎外を跳ね返して標的親との関係を築くことが、忙しさのため、煩わしくなります。標的親との面会や関係構築を拒絶していまった方が楽です。
4)反抗期
ティーンエイジャーになるとイライラするようになり親への反抗期が訪れます。片親疎外では、疎外親によって標的親への反抗が肯定されます。大きな後ろ盾を得ての反抗期のイライラの発散をします。
5)良かったころの記憶がある
幼児の頃に片親疎外が始まった子供はさらに小さい時の記憶はないので、「なぜかわからないけど一方の親と会えない」と漠然と考えています。
ティーンエイジャー十代で片親疎外が始まる場合は、子供は家族が上手く行っていた頃の記憶があります。誕生日パーティー、家族旅行、一緒に楽しく過ごした記憶があります。
だから、何が起こったのかを理解できるティーンエイジャーの子供にとっては両親の離婚は悲しくショックな出来事ことです。
疎外親は、この子供が受けた悲しみを標的親への憎しみへと変換します。標的親が離婚の原因を作った、もしくは、身勝手に離婚を選択したと、すべての責任を標的親へ押し付けます。そして、疎外親も子供も伴にその犠牲者であるとの印象操作を子供へ行います。
ティーンエイジャーの子供の方が離婚と悲しみとショックが大きいので、それが、標的親への大きな憎しみへと変換されます。上手く行っていた家族の関係を壊したのは標的親であると憎しみを抱きます。
そして、ティーンエイジャーの子供も家族が上手く行っていたころの良い思い出がある分、それを打ち消すために強い負の理由を必要とします。
標的親は、非常識で酷い親である必要があり、そうでなくては、家族が良かったころの思い出を消し去ることができません。結果として、標的親をこれ以上はない程の悪者に仕立て上げて、強く拒絶するようになります。
これを続けていく中で、過去の記憶が完全に歪むこともあります。良かったころの記憶は完全に消え去り、標的親は常に自分に虐待を加えていたとか、無視していた(ネグレクト)と記憶を持つようになります。
僕の長男が現在この状況です。僕は、子供達とはそれなりに沢山の時間を一緒に過ごして来ましたが、この記憶が完全にねじ曲がり、僕は、子供達と全く遊ぼうとしなかったとか、大事なときに一緒にいなかったと記憶しています。
まとめ
比較的大きな子供、ティーンエイジャー(十代)の方が幼児期の子供よりも、片親疎外にハマりやすく、標的親への強い拒絶を示し激しく攻撃します。
それはティーンエイジャーの子供の独特の理由があるからです。
損得勘定が出来るようになり、実際の言葉だけでなく体から発せられる波動(態度)を理解できるようになります。忙しくなるので、片親疎外を跳ね返す、時間の余裕も心の余裕もありません。片親疎外の用意した流れに乗っている方が楽です。疎外親に反抗期を利用されます。良かったころの記憶を打ち消す必要があります。
ティーンエイジャーの子供からの拒絶に苦しんでいる標的親のみなさんの辛さは本当に理解できます。
でも、それは、ティーンエイジャーの子供独特の理由があるからであって標的親に問題があるからではありません。
該当する標的親の人は、これらの理由が分かると、拒絶されても、ほんの少し気分が楽になると思います。離婚に際して子供を深く傷つけてしまったに申し訳ない気持ちを持ちながらも、ほんの少し気持ちが楽になると思います。
片親疎外がなかったとしても、反抗期でこの程度の拒絶はあったかもしれないなとか。親と一緒に過ごすよりも友達や恋人と時間を優先して対人関係を築き上げる力をつけても貰うことも確かに大事だよなと思えてきます。
今回の記事は紹介したドキュメンタリー映画の作者が発信する情報と、実際に片親疎外によりティーンエイジャーの子供達から拒絶を受けている自分の経験を元に作成しました。
この動画の中で、作者は、当初の予想に反して、ティーンエイジャーの子供の方が片親疎外の洗脳を受けやすいことが、取材を続ける中で明らかになってきたと述べています。