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片親疎外(片親疎外症候群)とは?症状と証拠:アメリカでの裁判経験者が解説

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片親疎外による親子断絶

私は片親疎外の標的親の立場でアメリカで裁判を戦った経験を持ちます。その過程で片親疎外について情報を集め学んできました。残念ながら、共同親権のアメリカでも、司法の機能不全により多くの断絶親子がいます。この酷い虐待問題を解決するためにはまずはリテラシーの向上が大事です。本記事では片親疎外とは何か、疎外を行う親、疎外を受ける親、子供がどうなっていくのかを紹介します。

Image by Ana Krach from Pixabay

片親疎外とは?

片親引き離し症候群ということもあります。片親疎外(Parental Alienation)とは、子どもが一方の親からの悪口などの影響により、もう一方の親を拒絶したり嫌う精神状態を指します。厳密には、片親疎外は、このような特殊な精神状態にある子どもを定義する言葉です。十分な理由がないにも関わらず子どもが一方の親を拒絶している状態とも言えます。広義では、そのような状況全般(Family Dynamics)を指して片親疎外ということもあります。つまり、疎外を行う親が子を操ること、子がもう一方の親を拒絶すること、拒絶された親が悲しみ苦しんでいる状態全般や一部を指して片親疎外と言うこともあります。離婚や別居をきっかけにして一方の親による洗脳が始まるケースが多いとされています。

言葉の定義

片親疎外は英語ではParental Alienationといいます。

最初は、Dr. Richard Gardnerにより、片親疎外症候群(Parental Alienation Syndrome)として報告されました。現在は、単に片親疎外(Parental Alienation)の名称を使うことが一般的です。

疎外を仕掛ける親を疎外親(Alienating Parent) と言います。

疎外を受ける親を標的親(Target Parent or Alienated Parent)と言います。

疎外を受け一方の親と引き離される子どもは英語ではAlienated Childと呼びます。

片親疎外は十分な理由なく一方の親を拒絶する子をAlienated Childというのに対して、虐待やネグレクトなど正当な理由があって拒絶する場合をEstrangementと言い、この状態にある子をEstranged Childと呼びます。例えば、Alienated Childは、疎外親が標的親について繰り返し否定的な発言をすることで、子どもが標的親を嫌悪するようになった場合を指します。一方、Estranged Childは、例えば標的親が暴力を振るったり、重大なネグレクトを行った結果として子どもがその親を避けるようになった場合に該当します。この違いは、子どもが親を拒絶する理由が、操作によるものなのか、現実の被害に基づくものなのかにあります。

片親疎外の原因と動機

苛烈な片親疎外をするのは境界性人格障害者、自己愛性人格障害者、サイコパスであり(後者になるほど悪性度が増す)、これらの人格障害が片親疎外の原因となります。境界性人格障害者は、感情の不安定さや極端な人間関係の変化が特徴であり、「遺棄への恐怖」に駆られて行動します。自己愛性人格障害者は、自分の優越性や自己中心的な欲求を満たすために他者を利用する傾向があります。サイコパスは、良心の欠如や共感の欠如を持ち、目的のためには他者を平然と操作します。自己愛性人格障害者とサイコパスの動機は、元パートナーへのリベンジですが、境界性人格障害者では「いつか子どもが自分を見捨て、もう一方の親を選ぶのではないか」という恐怖が行動の中心にあります。

疎外行動

疎外親が疎外を目的に行うのが疎外行動(Alienating behaviors)です。例えば、疎外親が標的親について「あなたのお父さんは約束を守らない人だから信用してはいけない」といった悪口を繰り返すことが挙げられます。また、子どもが標的親と会う約束をしている場合に「本当に行きたいの?行ったら嫌な気分になるだけよ」と言って、子どもの意思に揺さぶりをかける行動も典型的な例です。

長くなるので別に深堀記事を準備します。

疎外された子が示す症状

この状態にある子は特徴的な言動をとることが知られています。これも長くなるので別に深堀記事を準備します。一つの例は独立思考です。自分が一方の親を拒絶しているのは疎外親や誰かに言われたからではなく、自分自身の意思決定であると主張します。

標的親への影響

私は標的親の立場でこれを経験し、もう何年も子ども達には会えていません。これが私の人生で最も辛い経験の一つであると断言できます。片親疎外と子どもの早世の両方を経験した人々は、片親疎外による子どもからの拒絶、冷たく悪意のある言葉を浴びせられる苦痛が、子どもを亡くすことと同じくらい辛いと証言しています。この苦しみは、想像を絶するほど深く、どちらの経験も同等の悲嘆を引き起こします。その結果、自ら命を絶つ選択をしてしまう標的親も少なくありません。

片親疎外の程度

片親疎外の程度は3つに分かれるとされています。この分類は、子どもが疎外された親に対して示す態度や行動の強さ、および疎外親による行動の意図と頻度を基にしています。これにより、裁判やカウンセリングにおいて適切な対応策を検討するための基準として活用されています。

Mild(軽度)

疎外親に明確な疎外の意思はないが、ついつい、一方への悪感情が出てしまい、それを子が感じ取り、拒絶が始まる状況です。例えば「パパと遊園地に行ったときの話聞きたい?」と言われ、ついつい「いや、聞きたくない」と答えてしまうような場合です。子は敏感に感じ取るものです。

特徴:

• 子どもは疎外された親との関係にまだ一定のポジティブな感情を持っています。

• 疎外行動は一時的または軽微で、疎外された親と会うことに対する抵抗感が比較的少ない。

• 拒絶や批判は、主に片方の親の影響を受けているが、子ども自身が完全にその態度を受け入れているわけではない。

親の行動例:

• 暗にもう一方の親を批判するが、明確な拒絶を示さない。

• 子どもに偏った情報を与える。

Moderate(中度)

疎外親には明確に疎外の意思はあるが、世間的や子を洗脳することへの罪悪感から、次の重度までは至っていない状態です。

 特徴:

• 子どもが疎外された親に対して明確に批判的・否定的な態度を示すようになる。

• 疎外行動が日常化し、疎外された親と会うことに対して強い抵抗を感じる。

• 子どもの態度には、疎外する親からの強い影響が反映されている。

親の行動例:

• 子どもにもう一方の親へのネガティブな印象を植え付ける発言や行動が見られる。

• もう一方の親との面会を妨害する。

Severe(重度)

何の罪悪感も無く徹底的な疎外が行われます。

特徴:

• 子どもは疎外された親に対して極度の拒絶や敵意を示し、その態度を完全に内面化している。

• 疎外された親との接触を完全に拒否し、関係は事実上断絶状態となる。

• 疎外する親の影響が極めて強く、子どもの感情や行動に大きく反映される。

親の行動例:

• もう一方の親を人格攻撃し、悪役として描写する。

• 疎外された親との関係を完全に断ち切るよう促す。

• 裁判所命令に違反してまで面会を妨害する。

• もう一方の親と子どもの断絶が数年に及んでも平気でいられる。いつまでも疎外を続ける。

 

子どもが疎外親の意向に従う理由

生存のため

子どもは自分では生きて行く力がありません。ですから、自分の生存により力を及ぼす人間の側に立ちます。「自分の生存により力を及ぼす」とは、逆らったら何をされるか分からない、という恐怖心も含まれます。このため、子どもは、愛情深いまともな親よりも虐待親を選ぶことになります。同居親が疎外を始めると、別居親はこれに対抗することが難しくなります。同居親の方が子の生存に直接的な影響力を持っているからです。

より多くの愛情を求める

疎外親よりも標的親の方が愛情深いまともな親です。疎外親は人格障害者であり、条件付きの愛情を示す特徴があります。片親疎外のケースでは、「もう一方の親を拒絶しなければ絶対に許さない」という立場を取ります。一方で標的親は、子どもが何をしようとも、何を言おうとも、無条件の愛情を示します。

標的親を選べば疎外親からの愛情を失いますが、疎外親を選べば両親からの愛情を維持でます。その結果、子どもは家庭内での安定や愛情を得るために疎外親の期待に応えることで家庭内の平和を保とうとします。

繰り返される洗脳にあらがえない

子ども自身が疎外親の否定的な情報を繰り返し聞かされるうちに、現実と操作されたイメージを区別できなくなることもあります。例えば、疎外親が「あなたのお父さん(お母さん)はあなたを本当に愛していない」と繰り返すと、子どもはその情報を無意識に受け入れ、標的親への愛情や信頼を失ってしまいます。

ストックホルム症候群のように、子どもは心理的な抑圧状態の中で疎外親に同調することで一時的な安心感を得ることもあります。このような現象が進むと、子どもが真実を認識する機会がますます減少してしまいます。

片親疎外(片親疎外症候群)、親子断絶は子供への虐待であり元パートナーへのドメスティックバイオレンス

子どもへの影響と児童虐待としての側面

片親疎外は、子どもの成長において様々な悪影響を及ぼすことが知られています。心身に及ぼす影響は暴力や性的虐待と同様に深刻であり、苛烈な児童虐待に分類されます。

発達において以下のような重大なリスクを引き起こします。

  1. 心理的混乱 そもそも子どもは両親を大切に思うものです。その一方との関係を断たれることは、子どもを深く傷つけます。さらに、愛情を注いでくれる親の一方を否定しなければならない状況に追い込まれることで、混乱や罪悪感を抱くことがあります。成長過程で、自分が受けていた虐待を認識したとき、その虐待も実の親によるものであったという事実に深く傷つくことになります。

  2. 感情的トラウマ 親との断絶は、愛情不足や孤独感を生み、それが成人後の対人関係に悪影響を及ぼします。父親との断絶は、社会的活動や将来の経済的成功に影響を与える傾向があり、母親との断絶は、人間関係や結婚生活に深刻な影響を及ぼします。このような環境で育った子どもは、自分のアイデンティティや人生の方向性に自信を持てず、生きづらさを抱えながら人生を歩むことが多いです。

  3. 自己肯定感の低下 親から否定される経験は、自己肯定感を著しく低下させる原因となります。この低下は、人格障害や虐待者となるリスクを増大させ、虐待の世代連鎖につながる可能性があります。また、逆に人の顔色を伺いすぎて自己犠牲的な性格を形成することで、再び虐待者にターゲットにされるリスクも生じます。このような連鎖は、毒親育ちやDV・モラハラ被害者の増加につながる要因の一つです。

  4. 次の虐待への連鎖 疎外を行う親には、虐待的傾向や人格障害が見られる場合が多く、もう一方の親を遠ざけた後に子どもへの直接的な虐待が始まるケースも多々あります。このような虐待事件は後を絶たず、問題の根深さを示しています。

元パートナーへの影響とDVとしての側面

片親疎外は、元パートナーに対する心理的虐待(モラルハラスメント)の一種と考えられます。具体的には以下のような影響があります。

  • 社会的信用の損失 片方の親が悪者として扱われることで、周囲からの信頼を失います。片親疎外の動機は元パートナーへのリベンジです。疎外親は標的親から子どもを引き離すだけでなく、人格否定を繰り返し、積極的に元パートナーを攻撃する行動を取ります。

  • 親権や面会権の剥奪 法的な場面でも不利な立場に追い込まれることがあります。この状況を改善するための司法の介入は十分とは言えず、結果として親権や面会権を失うリスクが高まるのが現状です。

  • 精神的ストレス 自分の子どもと会えない苦痛や拒絶される経験は、説明するまでもなく、深刻な精神的ストレスを引き起こします。理由なく子どもに会えなくなることは、親にとって極めて辛い体験であり、長期的な心理的負担を伴います。

証拠集め

片親疎外の証拠集め裁判所での証明法は以下のNote記事を参照してください。片親疎外は心理学的および科学的に証明が可能です。証拠としては、疎外親による子どもへの否定的な洗脳の記録や、子どもが標的親との接触を避けるよう仕向けられた具体的な状況が挙げられます。

裁判所は標的親や子どもを救ってくれるか?

残念ながら、救済が十分に機能しないことが多いのが現状です。共同親権のをアメリカでさえ、多くの断絶親子が存在し、裁判所の判断が疎外行動を助長するケースも少なくありません。

片親疎外は十分な理由なく子が一方の親を拒絶する状態

片親疎外(Parental Alienation)とは、子どもが一方の親からの否定的な影響を受けて、もう一方の親を拒絶したり嫌う精神状態を指します。その原因は疎外親が持つ人格障害や、元パートナーへの復讐心に由来することが多く、子どもへの影響は深刻です。疎外親は特徴的な行動を繰り返し、これにより子どもも独特の症状を示します。片親疎外の程度は軽度、中度、重度の3段階に分かれ、それぞれ異なる特徴を持ちます。

片親疎外は科学的に証明可能ですが、裁判所は、疎外親に有利な裁定をすることが多いです。司法制度の限界を認識しつつ対策を講じることが大事です。