はじめに
片親疎外とは、離婚を主なきっかけとして、一方の親(疎外親)が、もう一方の親(標的親)に対して拒絶や嫌悪感を抱くように子供を洗脳することです。
洗脳された子供は標的親を見下し関わることを拒絶します。
家族再統合療法(Reunification therapy)は、壊れてしまった家族の関係の再構築を目的として行われますが、片親疎外によって壊れてしまった親子の関係の再構築には役立たないだけでなく、むしろ、子供の洗脳を強めて、関係をされに悪化させてしまうことがあります。
僕と子供達もセラピーもむしろ状況を悪化させている部分があると感じました。
それを子供達がいない状態でセラピストと相談することにしました。
このときの僕とセラピストとの会話内容が通常のセラピーが上手く行かないことが良く分かるものになっています。
Reunification therapyに違和感
セラピーは始まったのですが、これで良いのか?と疑問に思うことがあり、調べてみると以下のYouTubeが見つかりました。
原題の邦訳は、「通常の統合療法は片親疎外の場合には役立たないだけでなく有害な理由」です。
僕が疑問に思ったことがこの中でそのまま解説されていました。
全く、このYouTubeの内容の通りのことが僕と子供達のセラピーで行われており、片親疎外を悪化させていると思い、この内容を文字起こしして、セラピストと相談することにしました。
僕としてはセラピストに文句を言うのではなく、今後より良いセラピーを行うきっかけになればと言う思いでした。
そのために僕は時間もお金も使ってセラピーに行ったのです。
子供の主張をすべて肯定
僕からセラピストに正直に話しました。
このセラピーで上手く行っている部分もあるのですが、逆に片親疎外が悪化している部分もあると思っています。
例えば、子供達の言うことを何でも認めるべきとのことですが、それは何だか違うように思っています。
なぜかというと子供達自体がすでの僕を嫌ったり拒絶するように洗脳されているからです。彼らに父親のことを聞けば、必ず、悪い父親だと言います。実際に長男は「父親と良い関係だったことは過去に一度もない」と言いました。でも、そんなことは、常識的にあり得ません。過去の良い関係だったころの写真を見せても良いです。離婚裁判が始まり妻が片親疎外を始めるまでは、僕達は普通の親子でした。みんなで笑って写っている写真がいくらでもあります。
それを子供の言うことをそのまま信じて「良い関係を持ったことのない父親」を前提にセラピーを進めるのは効果的ではないと思います。
何が実際に起きているかを診断して、診断に基づいてセラピーを行うべきではないでしょうか?
実際には起きていないことを起きていると仮定してセラピーをしても効果的ではないと思います。問題はそこではないからです。
この場合は「父親と良い関係を持ったことがない」は事実ではなく、疎外親による洗脳であると診断するべきです。その診断に基づいてセラピーをするべきなのに「良い関係を持ったことのない父親」を事実としてセラピーをしても効果は少ないです。
セラピストの反撃を紹介します。
洗脳だったとしても、子供達の言っていることは、子供達にとって事実なのですよ。それを否定するわけにはいかないでしょう。あなたにとっての事実ではなくても子供達の事実としてそれを認めるしかないでしょう。
子供達にとって事実なのは理解しています。子供達がそれが事実だと強く信じていることも理解しています。でも、その事実が疎外親によって意図的に植え付けられた嘘であることが問題だと思います。
あなたは子供達があなたのアパートには泊まりたくない言っているのに、泊まるように子供達に言っていますね。では、もし、私があなたが行きたくない場所へ、あなたを無理やり連れて行ったらどう思います。
もちろん、嫌です。
そうでしょう!
しかし、僕の「ある場所へ行きたくない」が、第三者によって悪意を持って植え付けられた感情であることが問題です。「行きたくないなら、行かなくて良い」や「行きたくないを尊重する」は、解決になりません。「行きたくない」が悪意を持って植え付けられた感情であるのだから、その感情をどうやって正常にするか、第三者による洗脳を受けないために、どうやったら子供達が自分で考えられる力をつけるのかを考えるべきだと思います。
「行きたくないなら行かなくて良い」と子供達に言うと、子供達は自分が標的親を拒絶していることは正当だと思うようになります。拒絶を正当化するのですから、本来も目的、「健全な関係を持つ」の真逆を行っています。
通常のセラピストにとっては、「相手の言っていることをそのまま尊重する」がいかに常識で重要あるのかが良く分かります。でも、これが片親疎外を悪化させます。
子供達の人格障害
僕は子供達の人格障害についても相談しました。
子供達の言っていることをそのまま尊重するのが問題であるもう一つの理由は、子供達がすでの母親のやり方を真似て人格障害を発症し始めていることです。
僕は、子供達は男の子なので、ベッドを組み立てるのは楽しいだろうと思って、僕のアパートでやって貰いました。実際に子供達は楽しんでいました。
でも、後から子供達は、僕が子供達を労働搾取したと非難しました。父親が楽をするために子供達を労働力として使ったと非難しました。
おそらく母親がそう言ったのでしょう。
セラピーでは、「では、父親はそのときどうすべきだったか?」との話なりました。でも、これも逆効果です。
もし、僕がベッドを組み立てていたら、子供達は僕を非難しなかったと思いますか?僕はそうは思いません。もし、僕が組み立てたら、子供達は「楽しみにしていたベッドの組み立てを父親が全部やった。僕達の楽しみを父親が奪った。」と非難したと思います。
理由があって父親を非難しているふりはしていますが、「父親を非難する」の目的が先にあって、それに使える理由を後付けします。僕の離婚する妻がこれを常にやるので、僕は、これが、自己愛性人格障害者が良く行うダブルバインドだと知っています。
子供達も同じことをしています。
だから、ここも同じで、子供達の言うことをそのまま鵜呑みにしてセラピーを続けるのは逆効果だと思います。子供達が自己愛性人格障害者のやり口を取り入れ始めていることを認識して、セラピーに生かすべきだと思います。
セラピストの反撃を紹介します。
自分の子供を「自己愛性人格障害者」だなんて、ネガティブな味方をしているなんて、大問題(Red Flag)です!
セラピストは、「自己愛性人格障害者」は専門だと言っていたのですが、こんな反撃でした。
すべての自己愛性人格障害者(ナルシシスト)は誰かの子供です。そして、親から子供へ人格障害がコピーされることもあなたはご存知だと思います。僕が、子供達が人格障害を発症し始めているという心配がなぜそんなに問題なのか分かりません。
通常のセラピーでは、人格障害を考慮しない、セラピーが上手く行かないと標的親へ責任転嫁するから、上手く行かないありましたが、それを実感しました。
子供達に意見を聞く
セラピストは自分が責められていると感じたのでしょうか。
次のセラピーでは、個別に意見を聞きます。もし、子供達が、このセラピーを好ましく思っていないなら、続けることはできません。強制しても上手く行かないからです。
通常のセラピーでは、子供が参加しないことを許し、強制もしないから、上手く行かないとありましたが、全くその通りの展開になって来ました。
文字起こししたものはセラピストに渡せず
セラピストと相談しようと思って上のYouTubeを文字起こししたものを準備はしていました。
しかし、「通常のセラピーは、こういう理由で上手くいかない」と書かれたことと全く同じことをセラピストがしているし、やり方や考え方を変える気も無さそうなので、この文字起こししたものはセラピストに渡すことができませんでした。
渡すとあまりにドンピシャで気分を害するでしょうから。
まとめ
通常の家族再統合療法(Reunification therapy)が片親疎外による洗脳を受けた子供には効果がないどころか、子供の洗脳を強めてしまうことを実体験しました。
セラピストとの会話を元に通常のセラピーが上手く行かない理由を別の言葉説明できるようになりました。
片親疎外のセラピーでは、子供や親が言っていることを聞いて、それをそのまま鵜呑みにするのではなく、実際に何が起きているのかを洞察することがとても重要です。
通常のセラピーにはこの視点はなく、ただただ、子供が言っていることを事実だと信じて尊重するので、問題の根本原因に働きかけることができません。
例えば先ほどの「父親と良い関係だったことは一度もない」と聞いてだた認めるのではなく、「そんなことが現実的にあり得るか?あり得ない。つまり、子供が言っていることは、植え付けられた記憶か誇張である。」と洞察することがとても大事です。
通常のセラピーはこのステップがないので上手く行かず、人格障害を発症した子供に振舞わされることになります。
片親疎外のセラピーには洞察力が要求されます。状況証拠から「子供達が言っていることは正当か、人格障害によるダブルバンドか」を判断し、人格障害ならば人格障害を取り除くことに集中すべきです。でも、通常のセラピーでは、子供が言ったことを事実と認めるだけなので、問題の根本原因に働きかけることができません。
片親疎外のセラピーと比べると通常のセラピーは何だか薄っぺらいと感じます。ただ、その薄っぺらさが、片親疎外以外の人間関係の問題には役立つことも事実です。
相手を信じて尊重することはほぼすべての人間関係において重要です。